ツイン論文②「ツイン同士が求め合うものと、その段階について」
ツインのカップルは真逆の性質を持ち合わせていると言われている。
それ故に正反対の愛情を伝え合い、結果として想いが真逆のベクトルを向いてしまい、最大の愛情表現がどういう訳か憎み合いに変わってしまう。
ランナーは最大の拒絶をすることで本気の思いを伝えようとする。
チェイサーは執着することで本気の愛を伝えようとする。
ここで言う本気の愛とは、魂からの想いなのだが、それがどういった性質のものかをまず説明しようと思う。
魂はニュートラルな性質のものと仮定する。
拒絶も執着も真逆の立場であるが、同じエネルギー量なのだ。その中間にあるものがニュートラルである。いわゆる真実や本質の部分だ。
この部分に立ち返ることが統合であると予想する。
人には人の数だけ真実がある。ツインの間にもそれぞれの真実がある。
どちらもそれぞれの立場からすると、どちらも正しくどちらも間違っているのだ。
それぞれの真実がある以上、わかり合うことは不可能だ。自分がどちらかの立場であるなら、その瞬間に相手の立場になるのは尚のこと不可能である。
大切なのは常にニュートラルでいることだ。
どちらの立場も理解する必要がある。その上でニュートラルであることが全ての人間関係においての肝となる。
ツイン同士は出会った当初は、お互い真反対に偏っていたはずだ。互いに魂が開かれて、遙か遠くに見える真逆の針の振れ方に、絶対的な相手の大きさを感じ圧倒されてしまう。
それはあたかも勝負事かのような屈辱感を抱き合うほどのものだ。
しかしこれが最速の相手への理解へとつながるのだが。
相手への想いに偏った感情があるうちはニュートラルとは言い難い。
互いに求め合っているのは、実は「魂」という真反対を両成敗するエネルギーだからだ。
それを互いを前にするとはっきりと見えてしまうのだ。未知なる美しいエネルギーを、相手の中に見つけてしまう。
そしてそれこそがずっと求めていたものだと、はっきりと分かってしまう。
しかし相手とのつながりの中でそのエネルギーを得るのではなく、自身がここにどっしりと腰を下ろして相手と接する必要があるのだ。
そうでないうちは必ず、お互いが真反対にブレ合うだろう。
何度接しても互いの針が左に揺れ、右に揺れるはずだ。エネルギーは枯渇していく。2人のコミュニケーションも様々に形を変える。
しかしそのようにして2人の針はだんだんと揺れが小さくなり、やがて中心を指す。
それがツイン同士の求める位置なのだ。
ニュートラルの場所で相手への愛を示す。これが相手への最上級の愛情表現と言える。
このニュートラルの場所に自身を存在させるためには、本質に触れ続ける必要がある。
俗に言う、周波数を上げるとはそのことだと思われる。
心も体も、ナチュラルに存在できる場所に置かなければならない。
このナチュラルとは、心のままにと言うには言葉が簡単すぎるのがたまに傷だ。
心のままだと真反対のベクトルに身を置き続けてしまう可能性が高いからだ。
ニュートラルで在るために、心を自由にする必要があることを、心のままにというのが正しい解釈だと言えよう。
真反対に身を置くということは、心が偏っている、つまりバランスの欠けた生き方をしていることに他ならないからだ。そしてそれはツイン同士の統合を妨げる。
どちらの立場も理解した上で、中間に立つことが本質なのだ。
双極性障害という病がある。
双極性の症状は全ての人にあるものなので想像しやすいものだが、要するに高揚感の中にいる状態と、うつ状態にいる状態を繰り返してしまう病だ。
人は高揚感を正しいと思い、うつ状態を間違っていると思いがちだが、実は両方がいるべき場所ではないのだ。
高揚感はエネルギーを消耗する。その反動でうつ状態がやってくる。
うつ状態から抜け出そうともがき、その反動で高揚感の位置に突っ走る。
つまり、針を大きく振り続けているだけなのだ。
やがてコントロールできない疲れがやってきて、絶望し、自殺に追い込まれてしまう危険な病である。
ツインにもこれが当てはまる。
両極にいることは、非常にバランスが悪いことなのだ。バランスの悪さはエネルギーの消耗につながる。
ツイン同士のエネルギーの消耗もこれと同じだ。
双極性障害の治療は、薬などでこの振り幅を極力なくすことを目標とする。
力ずくで針の振り幅を小さくするのだ。
ここで患者はふと気づく。心身に穏やかな時間が流れ始めることを。
白か黒の世界ではなく、統合されたグレーの世界が見えることを。
どちらかに偏ると、やがて必ずもう片方へ大きく移動してしまうことになる。
両方の立場を知り、消耗することを知り、限りなく針の揺れをなくしていく、これが統合の鍵なのである。
そしてその左右に激しくブレたがる針を、静かに真っ直ぐにしておくそのエネルギーが、まさしく魂のエネルギー、本質と言えよう。
ニュートラルの位置にいなくてはならないのではなく、安心するからニュートラルになるのだ。
そこはまさしく平安そのものだからだ。
どちらにもブレないようにする心身のナチュラルな力、それがツイン同士が求める境地なのだ。
究極の安定、あらゆる人間関係を治める力。
ニュートラルの立場、魂のエネルギー。
ツイン同士はこれを知るために出会ったのだ。
<段階について>
①まず相手の立場を知るために、早く手に入れたいものもあるだろう。
それまではとにかく動き続けるかもしれない。
不安に駆られるが、それが前進する力となる。
②ある程度手に入れたあとは、2つのバランスを自身の中で取るトレーニングをするだろう。
激しい葛藤が起き続けるだろう。
針の動きを抑えるために、自分を確立させようとするだろう。
ツインを忘れようとするかもしれない。
③やがてその正反対のエネルギーの中に、奇跡のようなオアシスが見えてくる。
それこそが魂の立ち位置となるのだ。
ニュートラルのポイントである。
これが見え始めたら相手への想いに希望が持てるだろう。相手との再会があるかもしれない。
④そしてそのポイントに安定して身を置くために、様々な準備を始めるだろう。本質を感じられる場所に定住することになるだろう。
ニュートラルの心地よさを知り、自身の人生の細部までケアすることが喜びになる。
⑤本質に身を置くことで安定したニュートラルのエネルギーを得ることができるはずだ。
ツインを前にしてももはや恐れるものはない。
そして同時にツインのエネルギーが本質を完成させるピースになることが分かるはずだ。
そこまで来たらおそらく統合と言えるのかもしれない。2人の間に何かが起きているはずだ。
何度も言うが、ツインの求めるものは、激しくブレる針をニュートラルに指し戻すエネルギー。
そしてそれこそが魂の本質である。
統合したツインたちの放つエネルギーは全てを治める力なのだ。
この文章が、全てのツインたちの旅路の力になることを願います。